大きめの塊がポロポロと落ちてくるようなひどいフケ症の場合、脂漏性皮膚炎と考えられます。

脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の皮脂の分泌が異常に高まって起こるもので、皮脂の分泌が多い頭や顔、わきの下、胸、背中の中央部などによくできます。顔では特にTゾーンといわれる左右の眉と鼻を結ぶライン周辺に多く、赤くなって周りの皮膚がむけ、粉をふいたようになります。

顔全体に発症することはないので、そのような症状のときはほかの原因(病気)を疑います。耳の後ろも、脂漏性皮膚炎の起こりやすい部位です。

年齢としては新生児期から乳児期にかけてと、思春期、壮年期に多く、わが国では全人口の3~5%にみられるといわれます。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が盛んになることが原因の一つであることは確かですが、なぜそれによって湿疹が起こるのか、発症メカニズムについては、まだ明らかにされていません。さまざまな因子が関係するといわれ、一説では、脂肪酸が皮膚の表面で炎症を起こすのではないかともいわれています。また、皮膚表面でバクテリアや、でんぷう菌という水虫の仲間のカビが繁殖することもー因とみられています。

このでんぷう菌は、私たちの皮膚に常在し、皮脂を栄養源にしています。したがって、頭皮の皮脂が多くなると、この菌も活発に増殖します。そして、皮脂を分解してできる遊離脂肪酸や菌そのものが皮膚に刺激を与え、皮膚の新陳代謝のサイクルを早めます。

そのため、脂漏性皮膚炎では、頭皮は脂っぽくべたついて赤みがあり、表面には黄色みがかった角質の塊ができて、フケとなってはがれ落ちるのです。

脂漏性皮膚炎は、通常、かゆみを伴います。そのため、フケ症、脂漏性皮膚炎を放置していると、頭皮をかきむしって炎症が悪化し、毛が抜けやすくなって脱毛を招きやすくなります。これを枇糠性脱毛と呼んでいます。

脂漏性皮膚炎で赤みやかゆみがひどいときには、頭皮にはステロイド系のローション、顔には弱いステロイド系の塗り薬を使います。また、内服薬としては、かゆみの強い場合は抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を用いたり、体内からの皮脂の分泌を抑制するビタミン脹や136などを用いて、肌を整えます。

最近は、でんぷう菌の活動を抑えるために、ケトコナゾールという抗真菌薬のクリームやローションも使われるようになっています。これは、’長い間使ってもステロイド外用薬で心配されるような副作用がないので、使いやすい薬です。頭皮にはローションタイプのほうが使いやすく、1日2回つけます。かゆみや炎症が強い場合は、はじめのうちステロイド剤を併用することもあります。

脂漏性皮膚炎は再発しやすく慢性化しやすいので、治療には数年かかることもあります。症状の出かたにも波があり、軽くなったからと自己判断で勝手に薬をやめてはいけません。

頭にできた場合、かきむしって悪化した部位がかさぶたとなることもあります。そうなると刺激を恐れて洗髪がおそろかになりがちですが、それは間違いです。実際に、かさぶたがあるからとシャンプーしなくなってますます悪化した例もあります。

皮脂の過剰分泌が原因なのですから、医師の指示に従って過切に洗いましょう。




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