waiwaigaido のすべての投稿

パーマによって髪が傷むのは宿命

現在、広く行われているパーマは、加熱ではなく化学反応によってウェーブをつけるコールドパーマです。この方法は、化学作用によって毛髪の構造を変化させるので、髪を傷める可能性は少なくありません。

パーマがかかるしくみを、少しくわしく見てみましょう。

毛髪は、アミノ酸が種々に組み合わされたケラチンというタンパク質でできています。ケラチン分子は、らせん状につながったアミノ酸の鎖を、アミノ酸のーつであるシスチンが束ねている状態です。シスチンどうしの結びつきはシスチン結合といい、自然な毛髪は、シスチン結合のおかげで、引っ張ったり曲げたりといった力に強い抵抗力を持っています。パーマは、毛髪の内部に化学薬品をしみ込ませて、この髪の分子構造を化学的に変化させるものです。

パーマをかけるときは、まず、ロッドなどを巻いて、髪内部の成分の結合を変形させます。そして、パーマー液のチオグリコール酸の還元作用でシスチン結合を切断し、髪を軟化させます。次に、パーマ2液で毛髪内部の成分を再び結合させ、元の硬さに戻します。こうしてウェーブをつけるのがパーマです。

ストレートパーマや縮毛矯正もまったく同じ原理です。ストレートパーマと綿毛矯正は、ウェーブ状の髪のシスチン結合をパーマー液で切り離し、パネルにつけてまっすぐのばしてから、パーマ2液でまっすぐのまま固定します。

パーマには2種類の液体を使いますが、このうち髪にダメージを与えるのは、はじめに使われるー液、チオグリコール酸の液体です。この物質には、もともと皮膚の角質やつめ、毛髪のケラチンを破壊する作用があります。パーマは、このような化学薬品の作用を利用して、髪内部の自然な結合を切断したり、再結合させたりするので、毛髪には多くの負担がかかります。そのため、程度の差はあっても、パーマによって髪が傷むのは宿命ともいえるのです。

最近は、パーマ液自体、髪へのダメージを最小限に抑えるものが開発されたり、キユーティクルを保護するトリートメントが使われるなど、髪の傷みを防ぐための工夫がされています。といっても、頻繁にかければ化学薬品によるダメージを与え続けることになり、髪への負担は決して小さくありません。2か月にI回より頻繁にならないようにし、髪を守りたいものです。

枝毛、切れ毛の原因になるスラッシングとドライヤー

髪は非常にじょうぶにできていて、I本で150g程度のものをぶら下げることができると言われます。日本人の毛髪は平均約10万本あるので、1本で150gなら計算上は10万本で15トンもの重さのものを引っ張ることができることになります(実際には不可能ですが)。これは、受かケラチンというじょうぶなタンパク質でできているためです。

しかし、髪の表面をのり巻きののりのように包んで保護しているキユーティクルは、髪の中でもいちばん損傷を受けやすい部分でもあり、摩擦や熱、化学物質によって、かなりのダメージを受けてしまいます。

例えば、無理なブラッシングをしたり逆毛を立てたりすると、かわらのように重なり並んでいるキユーティクルをはがしてしまいます。また、髪はタンパク質でできているので、ドライヤーを高温で使ったり、近づけすぎたりすると、タンパク質が熱によって変性してしまい、髪はもろく、弱くなってしまいます。

頭皮の表面から上に出ている毛髪は、すでに死んだ細胞でできていることは前に説明したとおりです。したがって、髪はいったん傷つけられると、もう元には戻らず、その髪が抜けて、次の新しい髪に生え変わるのを待つしかありません。その意味で、髪はいつも大事に扱う必要があります。

ダメージヘアで最も多いのは抜毛、切れ毛です。女性に多いイメージがありますが、男性にもあります。まれに、自分で毛髪を触りすぎて髪が切れてしまうことがあります(結節性裂毛症)。

多くの女性が抜毛や切れ毛を防いだり治したりするために、毎口髭の手入れを欠かしません。ところが、皮肉なことに、この毎日のヘアケアが髪に負担をかけ、傷める原因になっているのです。

毛髪が傷む3大原因は、摩擦、熱、化学物質です。摩擦はブラッシングによるもの、熱はドライヤー、化学物質はパーマやヘアダイです。もちろん、どれも適切な方法で行えば、それほど髪を傷めることはありません。しかし、残念なことに、多くは毎日のヘアケアが誤っているために、自分で髪にダメージを与えているのです。

ブラッシングは、髪どうしのからみつきを直し、ほこりをとり去るために必要ですが、からんでブラシの通りにくい髪にはつい力を入れすぎて、わざわざ自分で抜毛をつくっているようなものです。

特に、髪が乾燥しているときは注意が必要です。髪は外気の湿度の影響を受けやすく、雨の日は湿気を含んでうまくまとまらずイライラ・:という経験はだれでもあると思います。が、髪の健康にとっては、湿度の低いときのほうが問題なのです。

髪の表面は、キューティクル(毛表皮)がウロコのようにおおって、髪の水分や脂分か外に流れ出ないように保護しています。そのおかげで、髪にはつやや張りがあるのです。

しかし、髪が乾燥しているときは、このキューティクルの並び方が乱れて、表面がささくれ立ってはがれやすくなっています。そういう状態のときに、強い力でブラッシングをしたり逆毛を立てたりすると、キューティクルの並びをさらに乱し、バラバラにしてはぎ取ってしまうのです。

抜毛は、こうしてキューティクルがはぎ取られて、中の繊維がバラバラになった状態、そして切れ毛は、これがさらに進んだ状態です。

ドライヤーの熱も、髪にダメージを与えます。特に、短時間であっても高温で乱暴に乾かそうとすると、髪をからませたり、表面のキユーティクルの並びを乱れさせ、結果として枝毛や切れ毛を招いてしまいます。ドライヤーは、時間をかけてていねいに、控えめに使うことがポイントです。

髪が乾燥しているときは、軽く湿らせてから、からまりを解くようにゆっくりとブラシをかけます。また、いったん枝毛になってしまったら二度と元には戻らないので、枝分かれしている部分より根元に近いところから切り、枝毛がさらに進まないようにします。

かゆみの対処を誤ると炎症を強める

かゆみは、フケ症と並んで最もポピュラーな頭皮のトラブルです。多くは、病変部位にヒスタミンなどのかゆみを起こす化学伝達物質が、化学的、機械的、あるいは電気的な刺激によって、遊離、産生されるためであると考えられています。

頭皮に強いかゆみを起こす皮膚疾患はいろいろあります。かゆみだけで発疹はない皮膚接岸症、あるいはべとつきや赤みを伴う脂漏性皮膚炎、急性湿疹やフケ症、接触皮膚炎や尋常性乾俯などです。原因疾患が何なのかは、皮膚科専門医を受診して、調べてもらわなければなりません。

ただし、皮膚疾患の多くは原因が明らかになっていないので、治療は原因療法ではなく、対症療法になってしまいます。

かゆみは、あまりにもありふれた症状で、しかも対症療法しかないとなると、往々にして自己判断でローションなどのかゆみ止めを塗ってしまいがちです。しかし、皮膚疾患に対する外用薬は、皮膚の状態に合わせて使う必要があります。これを誤ると、薬が効き目をあらわすどころか、むしろ皮膚を剌激して炎症を強めてしまうこともあります。

したがって、「たかがかゆみ」などと軽く考えず、洗っても治まらないとか、かゆみが強かったり長期間続いたりするようなときは、皮膚科を受診して、適切な治療を受けることが大切です。また、かゆいところをかきむしるというような機械的な刺激は、さらにかゆみを増すことにもなるので注意が必要です。

かゆみには、一般にかゆみ止めの内服薬と外用薬を併用します。かゆみの原因は、ヒスタミンなどの化学伝達物質の遊離、産生なので、かゆみ止めはこれを抑えるように作用します。

内服薬には眠気を起こすという副作用があるので、就寝前に服用するタイプが多いのですが、最近では、朝I回の服用で効果が24時間持続し、眠気を伴わないといった薬も登場しています。一方、外用薬はローションタイプ、あるいはスプレータイプが使われます。いずれも抗炎症作用を持っています。

内服薬、外用薬のどちらも、皮膚の状態に合ったもの、しかも確かな効果が得られるものは、医師による処方が必要です。自己判断で対処を誤り、炎症を悪化させることのないように、皮膚科専門医を受診し、症状に合った治療を受けることが最善策です。

毛穴がふさがれると抜け毛が増える

シャンプーをしても、すぐにべ夕ついてしまうという場合は、頭皮の汚れが疑われます。汚れの原因は、過剰に分泌された皮脂だけとは限りません。スタイリング剤やヘアクリーム、トニックなどの使いすぎで、頭皮を汚していることもあります。

とりわけ最近多いのは、ワックスを大量に使うことが刺激となるケースです。ワックスは髪型をキープする効果が高い分、べたつきやすいものです。そのためシャンプー時には念入りに洗うことになり、必要な皮脂までとりさってしまうことにつながるのです。その結果、皮脂によるバリヤ機能が損なわれ、トラブルを招いてしまいます。

かといって、洗い方が足りな’いのもNGです。頭皮の汚れは、新たに生えてくる髪の毛の出目である毛穴をふさいでしまいます。それを放置しておくと、頭皮の外に排出されなくなった皮脂が毛穴の中で脂栓となり、髪の生成に必要な酸素が十分に供給されなくなります。また、たまった皮脂にはこりゃ細菌がこひりついて繁殖し、頭皮や毛根の炎症を招く恐れもあります。若い人ほど皮脂がたまりやすいので気をつけましょう。

さらに、毛根の固着力は低下し、髪がシャンプーやブラッシングといったほんのちょっとした刺激で抜けやすくなってしまいます。そうなると、本来なら3S6年ある毛周期が短くなって、髪が十分に成長しないうちに抜けていくという異常脱毛が起こります。

こうした炎症や異常脱毛を防ぐには、頭皮の汚れを防いで毛穴をふさがないように注意することです。毛穴をふさぐ原因である皮脂は、適度にシャンプーすることによって洗い流すことができます。また、スタイリング剤やヘアクリームなどは、一度にあまりたくさん使わないほうがいいでしょう。

ヘアダイでアナフィラキシーの危険性も

ヘアダイによるかぶれを繰り返していると、かぶれが顔や全身に広がっていきます。アレルギー反応を起こすときにつくられるTリンパ球が、異物の侵入を感知して、一度にたくさんつくられるようになるからです。全身がかぶれてかゆみが出たり、皮膚が赤くなったりします。

こうしたトラブルは皮膚だけにとどまらず、ついには気道が腫れて呼吸が苦しくなり、全身症状を引き起こすアナフィラキシーを起こす危険性もあります。アナフィラキシーは、食物アレルギーの話で耳にすることがあるでしょうが、原因は食物だけに限りません。虫剌されや薬物、ワクチンなどによっても誘発されます。

アレルギー反応というのは、アレルギーを起こす物質が体内に人ってきたときに、それに対応するリンパ球が炎症を起こすもので、皮膚に発疹やかゆみが出ます。それが全身に起こる急性アレルギー反応がアナフィラキシーで、急激に症状が悪化して死にいたるケースもあります。

たPPDは、染毛剤以外の染料に含まれていることがあります。一部の人に支持されているタトウーに含まれていることがあるようで、ヘアダイでかぶれた人がタトゥーを入れてアナフィラキシーを起こしたことがありました。「ヘアダイでかぶれた程度で:・」などと軽く考えるのは禁物です。少しても異常があったら、皮膚科を受診してください。

ヘアカラーで接触皮膚炎を起こすことがある

ヘアカラーの後、頭皮や顔が赤くなってしまったというような経験はありませんか。最近は、髪を染める人が非常に増えているため、ヘアカラーによってアレルギー性の接触皮膚炎を起こしたり、毛髪を傷めたりしてしまう人が少なくありません。

ヘアカラーには四つの種類があります。ヘアスプレーやヘアフォームなどの一侍衛毛料、ヘアマニキュア、カラーリンスなどの半永久染毛料、ヘアダイ、白髪染めなどの永久染毛剤、そして脱色剤・脱染剤です。それぞれ商品としていろいろな名前がついています。

一時染毛料は効果が一時的で、1回のシャンプーで洗い落とすことができます。半永久栄毛料は酸性染料を用いたもので、シャンプーのたびに少しずつ落ちていきます。永久染毛剤は、脱色させるとともに酸化染料を化学反応により毛髪の内部まで浸透させ、染着させます。

このうち、かぶれなどトラブルの原因になるのは、ヘアダイなどの永久栄毛剤に含まれるPPD(パラフェニレンジアミン)という成分です。

ヘアダイでかぶれた場合、症状が頭皮よりも顔のほうに強く出るために、ヘアダイが原因と気づきにくいようです。もし、髪を染めた後、顔が赤くなった、かゆい、皮がむけてきたといった症状が現れたら、ヘアダイによる接触皮膚炎の疑いがあります。できるだけ早く、皮膚科を受診してください。

こうしたアレルギー性の接触皮膚炎は、いつ発症するかわかりません。アレルギーの原因物質を何回も使い続けているうちに感作(原因物質に反応すること)が起きてしまうため、「過敏症の人が使っても異常はなかったから」とか「いままで湿疹やかぶれなどが起こらなかったからだいじょうぶ」というわけにはいかないのです。

アレルギー体質の人は、これまではヘアダイしても何ともなくても、次はかぶれてしまう可能性があります(100回を超えるとかぶれるという説もありますが、宣ハ偽は定かではありません)。一度かぶれると、それ以降は毎回かぶれるようになることがあり、だんだん重症となる場合も。

ただし、アレルギー体質の人すべてがかぶれるようになるわけではなく、発症
する割合は高くありません。

ヘアダイなどによるアレルギー性の接触皮膚炎の治療には、症状に応じたステロイド系の塗り薬を使います。ひどいかゆみを伴う場合は、抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬などの内服薬も必要です。

注意が必要なのは、顔の皮膚はほかの部位に比べて薬を吸収しやすいため、副作用が出やすいことです。そのため、顔には弱めの塗り薬が処方されます。医師の処方を守って使用し、何らかの異常がある場合は直ちに薬の使用を中止し、主治医を受診してください。

なお、パーマ液による頭皮のトラブルはヘアカラーほど多くはありません。私の治療例では、ストレートパーマを自分でかけていてかぶれたケースが記憶にあるくらいで、やはりヘアカラーによるかぶれが多いという印象です。

それは、最近はパーマでウェーブをつけるよりカラーリングが流行となっていることもあるでしょう。パーマをかけている最中にしみたりかゆみを感じたりしたら、遠慮しないで美容師に告げましょう。パーマをかけた後でかぶれたり、発疹が出たりした場合も、放置しないで皮膚科を受診してください。

アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬

化粧品やシャンプー、リンスなどによる接触皮膚炎ばかりでなく、尋常性乾癬、アトピー性皮膚炎、ステロイド皮膚炎、頭部自癬、膠原病など専門的な治療を必要とする疾患でも、フケ症のように頭皮からバラバラと角質が落ちることがあります。

よくみられるのは、アトピー性皮膚炎など、かなり乾燥した状態での皮膚炎で、かゆみがあることから、頭皮をかいて頭全体からフケが出ます。頻繁にかきむしることによって毛が抜け、髪が薄くなることもあります。

尋常性乾癬は、皮膚にかゆみを伴う紅斑ができ、それがかさぶたのようになって、フケのようにポロポロと落ちるものです。このかさぶたのようなものを無理にとろうとすると出血し、症状がさらに進むと、紅斑の数が増えてくっつき、大きくなったりします。体質的な素因に、ケガや病気、喫煙、飲酒、食生活、不眠やストレス、気候など、さまざまな環境因子が加わり発症すると考えられています。

感染性の疾患ではありませんが、体質的な素因を持っている場合は、さまざまな環境因子の刺激によって繰り返し発症します。頭皮の症状は全身症状の一部ですが、頭から症状が出ることがあり、診断がつかない場合もあります。しかし、ほかの病気と異なり、なかなかよくならないのでわかることもあります。

脂漏性湿疹が重く、ひじやひざの外側に皮疹がある場合、尋常性乾癬を疑います。尋常性乾癬にはビタミンD剤が効果的で、脂漏性湿疹などとは効く薬が異なります。したがって、ひじやひざの外側に皮疹が出たら必ず医師に伝えてください。

適切な治療を受けるとともに、生活環境を整えて、発注を抑えるようにコントロールしたいものです。

シャンプーでかぶれることもある

かぶれは医学用語では接触皮膚炎といいます。シャンプーやリンス、トリートメントなどによって接触皮膚炎となった場合、すなわちシャンプーなどにかぶれた場合も、フケ症のように頭皮からバラバラと角質が落ちてきます。

接触皮膚炎は、肌に合わない化粧品やシャンプーを使ったために、急激に炎症が起こるものです。炎症が起こっている部位とそうでない部位の境界がはっきりしており、炎症部位が赤くなってかゆみを伴うなど、症状が激しいのが特徴ですただし、中にはかゆみなどがあまり強くない場合もありますので、自己判断は禁物です。急激に症状が出た場合は、皮膚科を受診してください。

シャンプーによる皮膚炎は頭皮以外にも出ることがあり、それも赤くなってかさかさするだけのこともあります。皮膚科医は、患者さんの肩・首・顔・耳に湿疹ができていたら頭を診るようにしています。

シャンプーによる皮膚炎かどうかは、しばらくの間シャンプーがからだにつかないように洗面台で髪を洗い、頭以外の症状がよくなるかどうかで判断します。シャンプーやリンス、コンディショナーは洗い流すものなので、肌に塗ったまま長時間おいてかぶれるかどうかを判断するパッチテストを実施するのは難しいのです。そのため、このような少々時間のかかる方法をとります。

また、炎症が起こったときに使ったシャンプーとは違う種類のフケ用シャンプーや敏感肌用シャンプーを使い、赤みやかゆみ、フケ症状がなくなれば、接触皮膚炎といえます。

シャンプーーやリンスなどをしっかり洗い流さないためにかぶれるケースもあります。入浴時、最後に髪を洗っていませんか。そういう習慣の人は、すすぎ残したシャンプーなどが顔やからだに残り、それらの部位に症状が出ることがあります。

かぶれやすい体質の人は、体質に合った製品を選び、入浴したら最初に洗髪するように習慣を変えるといいでしょう。

洗髪方法が原因のフケ症もある

若い女性を中心に清潔志向が強くなり、夜だけでなく、朝もシャンプーをする、いわゆる「朝シャン」が珍しくなくなっています。清潔にして汚れを落とすのはよいのですが、そのシャンプーやリンスがフケの原因になっている可能性もあります。そういう人だちからは、Tンャンプーやリンスをよくしているのにフケが出てしまう」という嘆きが聞かれます。その多くは、すすぎ方を間違っているのです。

シャンプーもリンスも、からだにとっては異物の一つです。使いすぎ、すすぎ残しによって頭皮にたまり、皮膚炎を起こしかねません。その前段階がフケだと考えてよいでしょう。フケ症を防ぎたい一心のシャンプー、リンスが、逆にフケ症を招いてしまっている。悲劇〃といえます。

その逆に、シャンプーは人体に悪いからと、お湯で流すだけ、という人もいます。植物性の固形せっけんは頭皮にやさしいからフケ症を改善すると思い込んで使い続けていた例もあります。これらは結果的に皮脂をきちんと落としていなくて、フケ症を悪化させていました。

シャンプーには頭皮との相性があり、どんなシャンプーが合っているかは万人一人異なります。せっけんシャンプーはすべての人に合うわけではなく、合わない人もいます。合わないのに使い続ければ皮脂のバランスが崩れ、トラブルの原因となります。

フケの発生に深くかかわる皮膚常在真菌

フケの発生と悪循環に深く関係しているとして、最近注目されているのが、皮膚常在真菌(了フセチア・フルフル)です。これは前項に登場した微風菌同様、真菌(カビ)の仲間で、ニキビの原因となるアクネ悍菌と同じように、正常な皮膚に常に存在しています。

通常は、皮脂成分や古くなってはがれ落ちた角質片、汗などを栄養として脂肪酸をつくり、探湯成分を生産したり、紫外線が皮膚を透過するのを抑えたりしています。また、雑菌、病原菌の侵入を抑制する働きもあります。つまり、過剰にならない限りは、皮膚の健康を守るために欠かせない存在だといえます。

この菌には皮脂の多いところを好む性質があることから、頭、顔、胸、背中などに多く、皮脂の分泌が盛んな思春期から30歳代、そして女性より男性に多いという特徴があります。ということは、毛穴が密集して皮脂腺が多く、皮脂の分泌量も多い頭皮は、皮膚常在真菌にとってはこの上なく住み心地がよく、しかも増殖しやすい場所だといえます。

このことを裏付けるように、フケ症の人の頭皮からはそうでない人に比べてこの菌が多く見つかり、フケ症が改善するにつれてこの菌の量も減る傾向があることが、最近の研究でわかっています。

こうしたことから、最近は、この皮膚常在真菌はフケの発生や増加に深くかかわる原因菌と考えられ、この菌に対して効力を発揮する成分(硝酸ミコナゾール)を配合したシャンプーが、フケ症に広く使われるようになっています。このシャンプーは、フケ、かゆみを防ぐという臨床評価を得て、わが国で初めて医薬部外品として開発されました。フケ症の頭皮ケアに効果が期待されています。

重いフケ症は脂漏性皮膚炎の可能性大

大きめの塊がポロポロと落ちてくるようなひどいフケ症の場合、脂漏性皮膚炎と考えられます。

脂漏性皮膚炎は、皮脂腺の皮脂の分泌が異常に高まって起こるもので、皮脂の分泌が多い頭や顔、わきの下、胸、背中の中央部などによくできます。顔では特にTゾーンといわれる左右の眉と鼻を結ぶライン周辺に多く、赤くなって周りの皮膚がむけ、粉をふいたようになります。

顔全体に発症することはないので、そのような症状のときはほかの原因(病気)を疑います。耳の後ろも、脂漏性皮膚炎の起こりやすい部位です。

年齢としては新生児期から乳児期にかけてと、思春期、壮年期に多く、わが国では全人口の3~5%にみられるといわれます。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が盛んになることが原因の一つであることは確かですが、なぜそれによって湿疹が起こるのか、発症メカニズムについては、まだ明らかにされていません。さまざまな因子が関係するといわれ、一説では、脂肪酸が皮膚の表面で炎症を起こすのではないかともいわれています。また、皮膚表面でバクテリアや、でんぷう菌という水虫の仲間のカビが繁殖することもー因とみられています。

このでんぷう菌は、私たちの皮膚に常在し、皮脂を栄養源にしています。したがって、頭皮の皮脂が多くなると、この菌も活発に増殖します。そして、皮脂を分解してできる遊離脂肪酸や菌そのものが皮膚に刺激を与え、皮膚の新陳代謝のサイクルを早めます。

そのため、脂漏性皮膚炎では、頭皮は脂っぽくべたついて赤みがあり、表面には黄色みがかった角質の塊ができて、フケとなってはがれ落ちるのです。

脂漏性皮膚炎は、通常、かゆみを伴います。そのため、フケ症、脂漏性皮膚炎を放置していると、頭皮をかきむしって炎症が悪化し、毛が抜けやすくなって脱毛を招きやすくなります。これを枇糠性脱毛と呼んでいます。

脂漏性皮膚炎で赤みやかゆみがひどいときには、頭皮にはステロイド系のローション、顔には弱いステロイド系の塗り薬を使います。また、内服薬としては、かゆみの強い場合は抗アレルギー薬や抗ヒスタミン薬を用いたり、体内からの皮脂の分泌を抑制するビタミン脹や136などを用いて、肌を整えます。

最近は、でんぷう菌の活動を抑えるために、ケトコナゾールという抗真菌薬のクリームやローションも使われるようになっています。これは、’長い間使ってもステロイド外用薬で心配されるような副作用がないので、使いやすい薬です。頭皮にはローションタイプのほうが使いやすく、1日2回つけます。かゆみや炎症が強い場合は、はじめのうちステロイド剤を併用することもあります。

脂漏性皮膚炎は再発しやすく慢性化しやすいので、治療には数年かかることもあります。症状の出かたにも波があり、軽くなったからと自己判断で勝手に薬をやめてはいけません。

頭にできた場合、かきむしって悪化した部位がかさぶたとなることもあります。そうなると刺激を恐れて洗髪がおそろかになりがちですが、それは間違いです。実際に、かさぶたがあるからとシャンプーしなくなってますます悪化した例もあります。

皮脂の過剰分泌が原因なのですから、医師の指示に従って過切に洗いましょう。

フケ症は悪循環を繰り返す

表皮では細胞分裂が繰り返されて新しい細胞ができ、古い細胞がはがれ落ちることが繰り返されています。正常な状態ではその周期は1か月ですが、何らかの原因でこのサイクルが短くなってしまい、角質片が塊となって、目に見える状態で落ちるようになることがあります。フケが髪にからまったり、肩に落ちてきたりする状態、それが「フケ症」といわれる状態です。

フケ症になってしまうのは、頭皮の新陳代謝のサイクルが短くなるためです。では、どうして新陳代謝のサイクルが短くなってしまうのか、その原因を探ってみましょう。

頭皮からは、からだのほかの部位よりも多く皮脂が分泌されています。

誰でも頭皮にはほかの部位より皮脂が多く分泌されるとはいえ、それが過剰になればトラブルの原因となります。過剰かどうかは、性別、年齢による違いや個人差があります。女性よりは男性、そして乳幼児期、思春期、壮年期に過剰になる傾向があります。

ただでさえ分泌量が多いところに、ホルモンの異常やビタミンの代謝異常、温度、湿度の影響、シャンプーや食事、ストレスといった生活習慣が加わると、皮脂の分泌に拍車がかかり、長くたまりやすくなります。皮脂がたまると頭皮はかゆくなり、これをかきむしることによって、脱落する角言行の量が増え、それを袖うために細胞分裂が盛んになる。こうした悪循環が繰り返されるのです。

フケは古くなった細胞がはがれ落ちたもの

頭皮のトラブルで第一に気になるのは、「フケはなぜ出るのか」ということでしょう。「毎日必ずシャンプーをしているのに、いっこうに治らない」とか、「毎日、夜遅くまで慟いてストレスが多いことが原因なのだろうか」、「食生活の乱れと関係があるのだろうか」といった悩みや疑問を持つ方は少なくないようです。

フケ症はシャンプーやリンス、トリートメントで治療できると思われていることもあるようですが、これは大きな誤解。フケ症はこれらでは治療できません。ただし唯一の例外があって、特定の菌を原因とするフケ症にはこの菌を抑える抗菌剤入りシャンプーが効果的です

ですから、美容院で「フケ症だからトリートメントしては」と勧められても、それは治療になりません。毎日洗髪しているのにフケが目立って悩んでいるなら、やはり皮膚科を受診すべきです。

フケというのは、いわば頭皮の垢。誰にでもあるもので、表皮の角質層が新陳代謝によって古くなって垢となり、はがれ落ちるのと同じように、頭皮の角質層が垢となってはがれ落ちるのがフケです。

単なる死んだ細胞の塊ですから、皮膚科医の立場でいえば、フケが汚いと思われているのはかわいそうな気がします。

皮膚は外側から、表皮、真皮、皮下脂肪組織の三つの層に分けられます。このうち、いちばん外側にある表皮の厚さは0.1mm程度。そこには、からだの表面に近いほうから角質層、類粒層、有縁層、基底層という四つの層が垂なっています。

最下層の基底層では、絶えず細胞分裂が繰り返されています。そこでつくられた新しい細胞は、その前にできた細胞を下から上へ上へと押し上げる形で、有縁層、類粒層を通って角質層まで移っていきます。

押し上げられた細胞が角質層まで達すると、それまで角質層のいちばん上にあった古い細胞は、新しい細胞にバトンタッチして角質片としてはがれ落ちます。これがフケです。

こうした頭皮の新陳代謝は、正常な状態でも常に起こっています。正常な状態でのフケは小さすぎて目に見えないだけで、フケが出ない人というのは存在しないのです。

この新陳代謝はおよそ1か月の周期で繰り返されています。新しくつくられた細胞が角質層の表面に達し、やがて古くなってはがれ落ちるまで、約1か月の寿命ということです。

湿疹と発疹/皮膚炎と炎症

ひとことで言えば、発疹は症状、湿疹と皮膚炎は病名、炎症は体の防御反応です。

例えば、顔や手足、胸やおなかなどの皮膚が赤くなる、ポツポツと盛り上がる、カサカサしてはがれ落ちる、ジクジクして赤く皮膚がむけるといった皮膚に現れる変化、症状の一つひとつは、すべて発疹といい、それぞれに名前がついています。

発疹ができる原因はいろいろありますが、多くは細菌やウイルスとは無関係で伝染性はありません。また、市販の化膿止め(抗生物質が人っています)は効果がないばかりか、かえって悪化させるおそれもあります。素人判断で化膿止めを塗ってはダメです。

発疹に対して、これらの皮膚の変化が混ざり合って起こるのが湿疹です。湿疹は皮膚炎ともいいます。

湿疹、皮膚炎は、なんらかの刺激に対してからだが示した防御反応の一つです。防御反応の現れ方はさまざまですが、おもに発赤、腫れ、熱、痛みという四つを特徴としています。そして、これらすべてを総称して炎症と呼んでいるのです。したがって、病気の成り立ちから、湿疹、皮膚炎は、炎症の1つということができます。

皮脂の量が頭皮の健康を左右する

頭皮にさまざまなトラブルが起こる第一の原因は、頭皮には顔やからだの皮膚よりも皮脂が多いことです。皮脂は皮脂腺から分泌され、その皮脂腺は毛根部にあります。つまり、皮脂は毛髪とワンセットなのですが、頭にはほかの部位よりも毛がたくさん生えているため、皮脂の分泌も多いというわけです。

それでも、トラブルが起こる人と起こらない人、起こっても軽い人と重症になってしまう人がいるのは、人によって頭皮のタイプが異なるからです。

同じ人でも、温度や湿度などの気象条件、住む場所といった環境によって、また、からだの健康状態によって皮脂の分泌は左右されます。

したがって、それぞれの状態に応じたケアをしているかどうか、そこがトラブルを避けられるかどうかの分かれ目です。注意が必要なタイプは、皮脂が過剰に分泌される脂性肌と、少なすぎる乾燥肌です。

脂性肌、乾燥肌というのは、顔についてだけでなく、頭皮についても言えることです。洗顔後はスッキリしているのに、数時間もすると鼻の頭や額がベトベトして、あぶら取り紙に頼らざるを得ないという人は、頭皮も脂性肌だと考えてよいでしょう。

頭皮のほうが毛穴の数が多く、皮脂の分泌量も多いので、もっとギトギトして深刻かもしれません。こういうタイプの頭皮をシャンプーーしないでいると、過剰な脂がかたまり、炎症を起こしてしまいます。脂漏性皮膚炎などの炎症は、毛髪の生育を妨げ、脱毛を招く原因の一つになります。

一方、アトピー性皮膚炎などのように、皮膚がかさかさしてかゆみが気になることが多いという人は、頭皮も乾燥肌である可能性があります。

本来は頭皮を守ってくれるはずの皮脂の分泌量が足りないため、表面の防御機能が低下して、細菌やシャンプー、整髪料などが真皮に入り込み、それが刺激になってかゆみが起こります。かゆいからといって頭皮をかいてばかりいると、かぶれから炎症(乾燥性湿疹)を招いてしまいます。こうした状態もまた、髪にとっては好ましくありません。

このように、皮脂の量は、頭皮や頭髪の健康状態をみるバロメーターのようなものです。多すぎても少なすぎてもよくありません。多すぎる場合は余分な皮脂を取り除き、不足している場合は適度な潤いを与える必要があるのです。

フケにも脂性と乾性があり、それぞれ頭皮の性質と同じものが生じます。

ただし、フケは季節によって変化します。湿気の多い梅雨から夏にかけては脂っぽくなり、空気が乾燥している冬は乾性に傾きがちです。

何らかの症状がある場合は皮膚科ヘ

生き生きとした美しい毛髪を育てるには、その土台になる頭皮の健康が欠かせません。でも実際には、フケ、かゆみ、湿疹など、頭皮のトラブルを抱える方が少なくないようです。

放っておけば、髪は育たず、抜け毛を増やしてしまうだけに、できるだけ早く手を打つ必要があります。頭皮に何らかの症状が現れたら、皮膚科を受診しましょう。

とはいうものの、黒い髪で覆われている頭皮は顔と違って外からは見えないので、異常があっても本人はなかなか気づかないものです。その結果、放置されて悪化してしまいがちです。家族や他人が最初に気づくこともよくあります。

頭皮に現れる症状には、アレルギーや湿疹、あるいはスタイリング剤や化粧品が合わない可能性など、いろいろな原因が考えられます。

自己判断で処置をしないことです。誤った処置をすると、抜け毛を増やしたり、皮膚炎へと進行してしまう恐れがあります。

化粧品やシャンプー、スタイリング剤などを使った後で、かゆみやただれ、赤くなるなどの症状が現れた場合は、まず、その使用をやめてください。

症状が出た原因と思われるものを持参して皮膚科を受診しましょう。

複数の化粧品の組み合わせでかぶれる場合もあるので、直前まで使っていたシャンプー、リンス、スタイリング剤、化粧品はすべて持参します。

また、症状が現れたころの体調、食事、睡眠、精神状態などもメモ書きして持参すると、診断に役立ちます。

仕事や勉強などで忙しくストレスが過剰になったり、睡眠不足で疲れがたまっている、あるいは食事が不規則で栄養の摂取に偏りがあったりすると、それが頭皮の異常や抜け毛といった症状となって現れることもあります。

頭皮の手入れが行き届いてこそ毛髪は健康になれる

健康で美しい髪を保ちたい、取り戻したいというとき、それはどんな髪をさしているのでしょうか。

ボリュームがなくペッタリとしている髪、植毛や切れ毛が多く、パサパサ、バラバラとしている髪は、どう見ても美しく感じられません。抜け毛がひどい場合ももちろんです。

人それぞれものの見方、考え方は違っても、「美しい髪、健康な髪というのは、つやつやして張りやコシのある髪である」という見方に大きな違いはないでしょう。つまり、手入れが行き届き、何のトラブルもない髪です。

というと、頭皮の表面に出ている部分の髪だけを大切に考えてしまいがちですが、いちばん大切なのは頭皮の手入れです。

頭皮は、からだの中でも皮脂量が多いため、細菌が繁殖しやすく、かゆみも起こりやすいところです。手入れを怠れば、毛根に皮脂がつまって新陳代謝の妨げになります。

頭皮の血行が悪くなれば、毛根に必要な栄養分が供給されなくなって抜け毛がひどくなります。

頭皮は、毛髪を育てる大地です。この大地に水分や栄養分が十分に行き渡ってこそ、草木である毛髪はじょうぶで美しい姿になれるのです。健康で美しい髪をつくるには、頭皮の手入れから始めましょう。

毛髪は心身の健康状態を反映する

食事でとった栄養分は、第一に、生命の維持に直接かかわる心臓や脳、肝臓、腎臓などの器官で使われます。

また、からだのどこかに障害が起こったり疲労がたまっていたりする場合には、その部分を修復するために、栄養分が消費されます。

これに対して、同じからだの一部であっても、生命の維持に真っ先に影響するわけではない部分、例えば髪やつめ、皮膚などに栄養分が回ってくるのは、心臓や脳など重要な部分に十分に栄養分が行き渡ってからです。

ということは、髪やつめ、皮膚など、最後に栄養分が回ってくる部分に元気があるときは、からだ全体が健康であると言えるわけです。

髪は、からだの健康状態を側るバロメーターであるだけでなく、心のコンディションも知ることができます。

例えば、ストレスがたまってくると、抜け毛が増えたり毛が絹くなったりして、髪が薄くなってしまうことがよくあります。

発毛や育毛にもブレーキがかかりがちです。ところが、そんな状況でも、ストレスが解消されると、しだいに抜け毛は止まり、発毛が促されます。

このように、毛髪はからだだけでなく心の健康状態を正直に反映する「ものさし」のようなものなのです。毛髪の異常が全身性疾患や心の病気のシグナルになることもあるだけに、美容面だけにとらわれているわけにはいきません。

血流が悪くなると毛髪は育たない

言うまでもなく、毛髪を切っても出血することはありません。頭皮から外に出ている毛幹部の細胞がすでに死んでいて、血管が通っていないためです。

しかし、頭皮の下にもぐっている毛根部のいちばん奥にある毛乳頭には毛細血管が入り込んでいて、毛乳頭や毛母細胞に栄養分を運んでいます。

その点は、全身の細胞と同じです。つまり、毛髪にも栄養分が必要で、髪が育つかどうかは血流にかかっているのです。

血液や血管、血流は、全身の健康状態を左右します。糖尿病や高血圧症、高脂血症(脂質異常症)など、生活習慣病といわれるいくつかの疾患を見てみても、いずれも血流と深い関係があります。

毛髪の健康は、これらの疾患ほど重大視されませんが、血流と深くかかわっているという点では変わりはないのです。

血流を悪化させる要因には、ストレスや睡眠不足、栄養不良、喫煙などがあります。

こうした血流を阻害する要因が重なると、髪は成長することができずに抜けてしまいます。

全身状態が健康で、血涙にも問題がなければ、毛髪をつくる毛乳頭や毛母細胞にも必要な栄養分が十分に行き渡り、髪の成長が促進されます。

美しく健康な髪を育てるには、血液を悪化させる要因を取り除くことが大切なのです。

毛髪には脳や頭皮を守る役目がある

髪が薄くなってしまうと、外見だけでなく、困ることがいくつかあります。髪にはいくつかの重要な役目があるからです。おもなものを紹介しましょう。

一つは容易に想像がつくように、脳や頭皮を外部からの衝撃から守る役目です。何かにぶつかったとき、髪がクッション代わりになり、脳や頭皮を守ります。

二つめは、脳を暑さや寒さから守る役割です。脳は、生命活動の中枢です。その脳に、高温や低温の影響による損傷が起こると、生命そのものが脅かされかねません。

第三に、毛髪には、からだにとって有害な物質を体外に排出する作用があります。体内には、食事などによって、水銀や鉛、アルミニウムなどの有害な物質がとり入れられてしまいます。これらの有害物質が体内に一定量を超えて蓄積されると、健康上の問題が起こってきますが、からだは自らの健康を守るために、これらの有害物質を髪や体毛、汗を通して体外に排出しているのです。

さらに、頭皮との関係では、紫外線から守ったり皮脂を供給したり、保湿する、といった役目も果たしています。

このように、髪は私たちのからだを外からの衝撃や、体内に侵入してきた有害物質の攻撃から守ってくれる重要な存在です。これほどからだの健康と深い関係があるにもかかわらず、現実には髪が抜けて薄くなったり、細く弱くなるという問題が起きています。そこには、からだのどこかに抜け毛や薄毛などを引き起こす原因が潜んでいるからです。

髪が薄くなってしまうと、「年のせい」だとあきらめてしまう方が少なくありませんが、実際はほかに抜け毛や薄毛の原因がある可能性も大きいのです。「もう、このままでいい」などとあきらめず、自分のからだを守ってくれている大切な髪にもっと関心を持ち、抜け毛や薄毛の原因に合った正しい育毛法を実践し、張りのある元気な髪を取り戻したいものです。