頭皮のトラブルで第一に気になるのは、「フケはなぜ出るのか」ということでしょう。「毎日必ずシャンプーをしているのに、いっこうに治らない」とか、「毎日、夜遅くまで慟いてストレスが多いことが原因なのだろうか」、「食生活の乱れと関係があるのだろうか」といった悩みや疑問を持つ方は少なくないようです。

フケ症はシャンプーやリンス、トリートメントで治療できると思われていることもあるようですが、これは大きな誤解。フケ症はこれらでは治療できません。ただし唯一の例外があって、特定の菌を原因とするフケ症にはこの菌を抑える抗菌剤入りシャンプーが効果的です

ですから、美容院で「フケ症だからトリートメントしては」と勧められても、それは治療になりません。毎日洗髪しているのにフケが目立って悩んでいるなら、やはり皮膚科を受診すべきです。

フケというのは、いわば頭皮の垢。誰にでもあるもので、表皮の角質層が新陳代謝によって古くなって垢となり、はがれ落ちるのと同じように、頭皮の角質層が垢となってはがれ落ちるのがフケです。

単なる死んだ細胞の塊ですから、皮膚科医の立場でいえば、フケが汚いと思われているのはかわいそうな気がします。

皮膚は外側から、表皮、真皮、皮下脂肪組織の三つの層に分けられます。このうち、いちばん外側にある表皮の厚さは0.1mm程度。そこには、からだの表面に近いほうから角質層、類粒層、有縁層、基底層という四つの層が垂なっています。

最下層の基底層では、絶えず細胞分裂が繰り返されています。そこでつくられた新しい細胞は、その前にできた細胞を下から上へ上へと押し上げる形で、有縁層、類粒層を通って角質層まで移っていきます。

押し上げられた細胞が角質層まで達すると、それまで角質層のいちばん上にあった古い細胞は、新しい細胞にバトンタッチして角質片としてはがれ落ちます。これがフケです。

こうした頭皮の新陳代謝は、正常な状態でも常に起こっています。正常な状態でのフケは小さすぎて目に見えないだけで、フケが出ない人というのは存在しないのです。

この新陳代謝はおよそ1か月の周期で繰り返されています。新しくつくられた細胞が角質層の表面に達し、やがて古くなってはがれ落ちるまで、約1か月の寿命ということです。






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